「これほどまでに強いのか、ドゥラメンテ!」
ウマ娘のアニメ3期『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』の第一話が放送されましたが冒頭でいきなりドゥラメンテの名前が出てくるという衝撃のスタートとなりました。
ハフバぱかライブで新規発表されたのがサウンズオブアースのみだったことで登場は絶望的かと思っていましたがまさにサプライズでした。
ただ個人的にはこんなサプライズがあるならサウンズオブアースも出さずに隠しておいた方が良かったんじゃないかという気もします。サウンズだけ情報を出したことで、アニメで新キャラがまだまだ出てくるではなく、アニメの新キャラがこれしか出せないという悪い方向に解釈されてしまってハフバが盛り下がる原因になった上に一部の悪質な輩がサウンズに対する誹謗中傷を行うなどマイナスの部分もかなりあったような気がするので;;
まあ出し方に思うところがないわけではありませんが、ビッグネームが出てきてくれたこと自体は嬉しいですしアニメも含めて今後のウマ娘に期待したいですね。
今日はドゥラメンテ登場を記念して史実紹介と適性予想を行っていきたいと思います。
ドゥラメンテ史実紹介
父:キングカメハメハ
母:アドマイヤグルーヴ
母父:サンデーサイレンス
生涯成績:9戦5勝
獲得賞金:6億6106万3000円
主なG1勝ち鞍:日本ダービー、皐月賞
同期にキタサンブラック・サトノクラウン・シュヴァルグラン等がいる15世代
同期にはG17勝馬キタサンブラックをはじめとして、海外G1を制したサトノクラウン・リアルスティール。ジャパンCを勝ったシュヴァルグランも同い年になります。
G1馬ではありませんが、ドゥラメンテやキタサンブラックと僅差の勝負を演じたこともあるアンビシャスも同世代です。
祖母にエアグルーヴを持つ日本近代競馬の結晶
父は2004年にNHKマイルC→日本ダービーの変則二冠を達成し種牡馬としても大成功したキングカメハメハ。ちなみにキタサンブラックの父であるブラックタイドとは同期(対戦歴はなし)
母は繁殖牝馬としても大成功したエアグルーヴの初仔でエリザベス女王杯を連覇したアドマイヤグルーヴ(出産後の10月に死亡したのでドゥラメンテがアドマイヤグルーヴ最後の産駒)。
ドゥラメンテの牝系はオークス馬ダイナカールからエアグルーヴ→アドマイヤグルーヴと続く在来血統で、母父サンデーサイレンス・母母父トニービン・母母母父がノーザンテーストという日本競馬を支えてきた大種牡馬の血を受け継いでいるまさに日本近代競馬の結晶ともいえる血統の持ち主。
気性の難しさ
2014年10月12日の東京芝1800m戦でデビュー。しかし1番人気に推されるも出遅れが響いて2着敗退。続く未勝利は6馬身差で圧勝するもゲート内で立ち上がったために発送調教再審査が課されます。
翌年の500万特別のセントポーリア賞は5馬身差で圧勝し賞金加算の為に中1週で共同通信杯に出走。未勝利と500万の内容が強かったことで単勝1.8倍の圧倒的1番人気に推されますが、道中折り合いを欠いてしまいスムーズにレースを進めたリアルスティールを捕まえきれずに2着敗退。
賞金的に皐月賞に出走できるかは微妙でしたが陣営は馬の状態を優先させて弥生賞やスプリングSといったトライアルには出走させず皐月賞に直行させることに(除外された場合は青葉賞からダービーを予定)。
才能が開花
この年の皐月賞は15頭立てと36年ぶりにフルゲートに満たなかったために賞金に不安のあったドゥラメンテも無事ゲートイン。
1番人気は無敗で弥生賞を制したサトノクラウンが支持され、2番人気は前走の共同通信杯で敗れたリアルスティール。そしてドゥラメンテは重賞未勝利で気性の問題もありましたがこれまでの内容が評価されて3番人気に支持されていました。
レースがスタートすると次走NHKマイルCを制するクラリティスカイが逃げて2番手には後にG1を7勝するキタサンブラックが追走。ドゥラメンテは序盤後方からレースとなり、4コーナーから直線に入るところでなんと内から外へ大きく斜行してしまい大きなロスをする厳しい形になります。しかし体勢を立て直すと残り200mから一気に外を伸びて内をスムーズに回ったリアルスティールやキタサンブラックを並ぶも間もなく差し切る衝撃の内容でG1初制覇。冒頭のこれほどまでに強いのかドゥラメンテはこのレースの時の実況です。
二冠目の日本ダービーは皐月賞の衝撃的な内容から単勝1.9倍の圧倒的1番人気に支持されます。レースは中団追走からしっかり折り合って直線抜け出す横綱相撲の競馬で圧勝。
皐月賞前は混戦ムードだった2015年のクラシック戦線は完全にドゥラメンテ1強の状態となります。
骨折でクラシック三冠や凱旋門賞を断念
秋の目標として菊花賞でクラシック三冠を目指すプランの他に、凱旋門賞を目指すプランも浮上。しかしこのプランは両方とも実現することはなく、放牧中に両橈骨遠位端骨折を発症。症状としては軽度とされるものでしたが、骨片を摘出する手術を行いさらに復帰時期が冬になることから慎重なリハビリメニューが組まれて秋シーズンは全休することになります。
翌年の中山記念で9カ月ぶりに実戦復帰。前年の皐月賞2着のリアルスティールの他に2年前の皐月賞馬イスラボニータと3年前の皐月賞馬ロゴタイプが揃った3世代皐月賞馬対決(両馬とも着外でしたが;;)を制して復活をアピール。
ドバイシーマクラシックで海外挑戦
次なる目標は約1か月後に中東ドバイで行われるメイダン芝2410mのドバイシーマクラシック。
ドバイシーマクラシック歴代勝ち馬(日本馬のみ)
・ステイゴールド(G2時代)
・ハーツクライ
・ジェンティルドンナ
・シャフリヤール
・イクイノックス
日本馬も何頭か勝利していますが全てサンデーサイレンス系(父系にサンデー)という共通点があります。
内容や経過次第では前年断念した凱旋門賞への挑戦も視野に入れているとのコメントもあり日本近代競馬の結晶の海外初挑戦に大きな期待が集まっていました。
しかし馬場入場後に蹄鉄を落鉄するアクシデントが発生。蹄鉄の打ち直しもうまくいかずになんとそのまま発走。その影響もあったのかイギリス馬ポストボンドの2着に敗れ皐月賞から続いていた連勝は3でストップします。
キタサンブラックとの再戦そして・・・
ドバイシーマクラシック2着の後は日本に帰国して夏のグランプリ宝塚記念を目指して調整が進められます。
ドバイから3カ月振りの実戦となった宝塚記念にはクラシックで対戦しこの年の天皇賞春を制していたキタサンブラックも出走していました。
ドゥラメンテは単勝1.9倍の圧倒的1番人気に支持され、2番人気は5.0倍と少し離れてキタサンブラック。前走2着で海外帰りという不安はありましたがクラシックで格付けが済んだと考えているファンも少なくなかったのか、オッズ的には二強というより一強に近い感じになっていました。
レースは天皇賞春を逃げ切ったキタサンブラックがハナを切りドゥラメンテは後方13番手を追走。そのまま馬群の中で脚を溜めて直線外に持ち出すも早めに抜け出した8番人気の伏兵マリアライトを捕まえきれず、最後逃げたキタサンをぎりぎりハナ差交わしたところでゴール。結果はマリアライトにクビ差及ばず2着。
しかもその直後に歩様が乱れて検査の結果左前肢ハ行という診断が出されて凱旋門賞への挑戦は断念。さらにその3日後複数の靭帯と腱を損傷していることが判明して競走能力喪失の診断が下され現役を引退することとなります。
キタサンブラックの高い壁
キタサンブラックとは3度対戦して宝塚記念の先着を含めると3戦3勝。戦績的には同期のライバルというより、高い壁であり続けたという感じです。
非常に高い能力を持ちながらダービー以降はアクシデントや怪我に泣かされて実力を完全に発揮し切れないままターフを去る形になってしまいましたが、クラシック(特に皐月賞)で見せた衝撃は歴代の名馬たちと比べても勝るとも劣らないものだったのではないかと思います。
産駒も大活躍するが残念ながら早世
種牡馬としても初年度産駒から菊花賞・天皇賞春・宝塚記念を制して凱旋門賞にも挑戦したタイトルホルダーを輩出。2年目産駒からは桜花賞とオークスを制したスターズオンアース、3年目産駒は阪神JF・桜花賞・オークスを制して今秋(2023年秋)牝馬三冠がかかるリバティアイランドをはじめ、ドゥラエレーデ(ホープフルS)やシャンパンカラー(NHKマイルC)を輩出するなど次々とG1馬を輩出する大成功を収めます。
しかし残念ながらドゥラメンテ自身は産駒のG1制覇を見ることなく、2021年8月31日に急性大腸炎の為9歳の若さで亡くなってしまいました。
競走馬としても種牡馬としても凄まじい衝撃を残してあっという間にいなくなってしまったいろんな意味で本当にもったいない名馬でした。
ウマ娘ドゥラメンテの適性予想
バ場:芝A,ダG
距離:短距離G,マイルB,中距離A,長距離C
脚質:逃げG,先行D,差しA,追込A
最近は1800mの重賞2着だけでもマイルBが貰えたりしているので、1800mの中山記念勝ちがあるドゥラメンテはB以上の可能性はかなり高いと予想。1600m実績はないのでAではなくBと見ています。
2500m以上は一度も走ったことはありませんが、産駒のタイトルホルダーが菊花賞と天皇賞春を勝っているのでCくらいつけられてもおかしくないと予想。
脚質は差し追込がA。逃げたことは一度もないので逃げはGで先行も高くてDぐらいかなと思います。