【ウマ娘】ノースフライト実装発表!史実紹介と適性予想

ノースフライト実装

「5th EVENT ARENA TOUR GO BEYOND -GAZE- 」DAY2で新ウマ娘「ノースフライト」の実装が発表されました。

ノースフライトはマイルで5戦全勝という圧倒的な成績を残したことから「マイルの女王」と称され、フーちゃんという愛称でも親しまれた90年代を代表する名マイラー

最近新ウマ娘の発表がかなり減っていたので1人だけとはいえこういう発表は嬉しいですね。

今日はノースフライトの史実紹介と適性予想を書いていこうと思います

ノースフライト史実紹介

父:トニービン
母:シャダイフライト
母父:ヒッティングアウェー
生涯成績:11戦8勝
獲得賞金:4億4658万5000円
主なG1勝ち鞍:安田記念、マイルCS

同期にBNWやユキノビジン等がいる93世代

93世代

通称BNWと呼ばれているビワハヤヒデ・ナリタタイシンウイニングチケット等と同期の93世代の1頭。ただし適性や性別の違いでこれらとの対戦歴は無し。

同期の牝馬には桜花賞・オークスを制した二冠牝馬ベガ(アドマイヤベガの母)や後に砂の女王となるホクトベガの他にウマ娘化されているユキノビジン等がいます(エリザベス女王杯で対戦)。

トニービンの初年度産駒

ノースフライトは凱旋門賞馬トニービンの初年度産駒として1990年4月12日に誕生。

トニービンは後にリーディングサイヤーを獲得する等種牡馬として大成功を収めますが、初年度産駒に関しては華奢で頼りないという評判が立っておりノースフライト自身は体格を備えていたにも関わらず買い手がつかず生産牧場がそのまま所有することになります。

ノースフライトと名付けられた牝馬は順調に成長するものの育成のペースは上がらず4歳(現3歳)になってから育成場に移ったのちに栗東トレーニングセンターの加藤敬二厩舎に入厩。

栗東でデビューに向けて調教が積まれている頃、同じトニービンを父に持つベガ(二冠牝馬)やウイニングチケット(ダービ馬)がクラシック戦線で主役として活躍していました。

エリザベス女王杯を目指す

5月1日の未出走戦でデビュー。1番人気の支持に応えて9馬身差で圧勝すると、2戦目の足立山特別(500万)も8馬身差で圧勝。その圧倒的なレース内容からまだ賞金が足りない条件馬であるにも関わらず(牝馬二冠を制した)ベガの三冠を阻むライバルになるかもという声が上がります。

しかしエリザベス女王杯を目指して出走した秋分特別(900万)は順調さを欠いたことや当日に発情したことで生涯最低着順となる5着に敗退。

このままでは賞金的にエリザベス女王杯出走が厳しいと判断とした陣営は900万の条件馬の身にも関わらず準オープンも飛ばして一気に2クラスの格上挑戦となるG3府中牝馬ステークスに出走。好位追走から直線抜け出しキャリア4戦目で重賞初勝利を挙げます。

ここまで勝った3戦は全て1600~1700mで唯一5着に敗退したのが2000mだったことから、エリザベス女王杯の距離(2400m)を不安視する見方もありましたが陣営は当初の予定通り初の2400m戦となるエリザベス女王杯にノースフライトを出走させます。

2400mのエリザベス女王杯で好走

エリザベス女王杯

この年のエリザベス女王杯は春に桜花賞・オークスの二冠を制したベガがメジロラモーヌ以来となる牝馬三冠を達成できるか否かに大きな注目が集まっていました(当時は秋華賞はまだなくエリザベス女王杯が牝馬三冠の最終戦)。

しかしベガは蹄鉄の打つ際に人間の深爪のような症状を生じさせてエリザベス女王杯への出走が危ぶまれる等中間順調さを欠き、なんとか本番に間に合わせることはできたものの、前哨戦のローズSを回避して本番直行の形になるなど不安の残る形での出走。

調整過程の不安から牝馬二冠を制していたにも関わらずベガは2番人気に留まり、1番人気にはそのローズSを制した夏の上がり馬スターバレリーナ。桜花賞とオークス連続2着のユキノビジンは3番人気で、距離不安があったノースフライトは5番人気に留まっていました。

レースは中団を追走したノースフライトが直線一時先頭に立つも、内から伸びたホクトベガに交わされ1馬身半差の2着。牝馬三冠がかかっていたベガは3着に敗れこの後は一度も掲示板に載ることなく引退することになります。

距離不安の声を一蹴したノースフライトは年末に2000mの阪神牝馬特別を制して重賞2勝目を上げて4歳シーズンを終えました。

マイル女王へ

安田記念

5歳シーズンは京都牝馬特別から始動しマイル戦のこのレースを6馬身差で圧勝。マイルでの強さから陣営はノースフライトはマイラーであると考えて以降は中距離に出走せずマイル路線を進んでいくことになります。

牡馬との初対戦となったマイラーズCも後にジャパンCを制するマーベラスクラウンを下してレコードで勝利。このレース後陣営は春のマイル王決定戦である安田記念への出走を明言。

この年の安田記念はムーランドロンシャン賞やこの年の京王杯SCを制したフランス馬スキーパラダイスをはじめ、ジャックルマロワ賞優勝馬サイエダティ、フォレ賞優勝馬ドルフィンストリート、ミドルパークS優勝馬のザイーテンといった海外の強豪馬が多く出走する豪華メンバーが揃っていました。

また後にライバルと呼ばれるようになるサクラバクシンオーもこのレースに出走しており、この時は海外勢が上位人気を占める中3番人気と日本馬の中で最上位の人気を集めていました(ノースフライトは5番人気)

スタートが切られるとノースフライトは出遅れて後方からレースを進める形となり、1000m通過56秒9の超ハイペースで推移。4コーナーで大外を回ったフライトは直線一気に加速して先頭に立つとそのまま押し切り後方から追い込んだトーワダーリンに2馬身半差をつけてG1初制覇を果たしました。

世界の強豪を相手に強い競馬で勝ったことでノースフライトは「マイル女王」と呼ばれるようになります。

サクラバクシンオーとの対決

マイルCS サクラバクシンオーとの対決

秋はマイルCSに直行する予定でしたが状態が良かったことから前哨戦のスワンSに出走。このレースには安田記念で超ハイペースを先行して4着に粘っていた「スプリント王」サクラバクシンオーも出走しており、「1600mが得意なマイル女王ノースフライト」と「1200mが得意なスプリント王サクラバクシンオー」がその中間となる1400mで激突するという構図になります。

生涯最短となる1400m戦に臨んだノースフライトはこれまでよりやや追走に苦労する様子を見せ、最後追い込むも早めに抜け出したサクラバクシンオーを捕まえきれずに1馬身1/4差の2着に敗れ、1400mでの2強対決はサクラバクシンオーに軍配が上がります。

次走のマイルCSはノースフライトにとって庭である1600m戦ということもあり単勝1.7倍の圧倒的な1番人気に支持され、少し離れた2番人気に3.3倍のサクラバクシンオーが続き、3番人気以下は11倍超と実質1強ないし2強対決のような形に。

また戦前にはノースフライトがこのマイルCSを最後に現役を引退することを発表。

レースはサクラバクシンオーをマークするような形で進めたノースフライトが直線先頭に立ったバクシンオーを直線半ばで捉えて1馬身半差をつけて勝利し有終の美を飾りました。ちなみにビコーペガサスもこのレースに出走していて5着に入っています。

繁殖牝馬としては重賞馬を輩出することはできませんでしたが、プリンシパルSを勝ったミスキャスト(父サンデーサイレンス)が種牡馬となって天皇賞春を優勝するビートブラックを輩出しています。

マイラーとスプリンターの違い

かつてはマイラースプリンターの区別がやや曖昧で短距離馬という単語で一括りにされたりすることも少なくありませんでした。

ノースフライトとサクラバクシンオーは「短距離馬」で括られていたものを、スプリンターとマイラーは別物であるということをはっきり分かりやすく示してくれた2頭でもありました。

マイルではノースフライトがバクシンオー相手に2戦2勝で、1400mだと逆にフライトのほうがもたついてバクシンオーを捕まえきれない様は、まさにスプリンターとマイラーの違いを競馬ファンに分かりやすく示していました(1400mがスプリント寄りであることも)。

デュランダルロードカナロアグランアレグリアのようにスプリントとマイル両方でG1を勝っている馬もいますが、これもあえてどちらで呼ぶかと言われればカナロアがスプリンターでデュランダルとグランアレグリアはマイラーという感じになるかなと個人的に思います

マイルでの圧倒的な強さに加えて、サクラバクシンオーとの対比でスプリンターとマイラーの概念をはっきりさせたという意味でも歴史に残る名馬だったのではないかと思います。

ウマ娘ノースフライトの適性予想

バ場:芝,ダ
距離:短距離,マイル,中距離,長距離
脚質:逃げ,先行,差し,追込

サクラバクシンオーが短距離・マイルなのでその対比として短距離・マイルになるのではないかと予想。中距離は阪神牝馬特別1着にエリザベス女王杯2着がありますが、どちらも牝馬限定で古馬になってからは走っていないのでCあたりと予想。一度も走っていない長距離はG濃厚。

脚質は先行差しがA。追込は安田記念ぐらいですがそのレースも強かったのでCくらいあってもおかしくないかなと思います。