【ウマ娘】シーザリオ実装発表!史実解説と適性予想

ウマ娘シーザリオ実装

1月26日に公式ツィッターのほうで新ウマ娘「シーザリオ」が発表されました。

シーザリオは日本調教馬として初めてアメリカのG1レース(アメリカンオークス)を勝利した名牝で繁殖牝馬としてもエピファネイア・リオンディーズ・サートゥルナーリアという3頭のG1馬を輩出した名繁殖牝馬でもあります。

アニバ前のこの時期に唐突な感じで発表されたので個人的にも結構びっくりしました。

今日はシーザリオの史実解説をしていきたいと思います。

シーザリオ史実解説

シーザリオ
スペシャルウィーク
キロフプリミエール
母父 サドラーズウェルズ
生涯成績 6戦5勝(5-1-0-0)
獲得賞金 2億2829万6000円(+アメリカ45万ドル)
主な勝ち鞍 オークス・アメリカンオークス招待S

05世代初のウマ娘化

05世代はなんといってもディープインパクトが超有名。他にも砂のディープことカネヒキリや芝からダートに転向してG1を9勝したヴァーミリアン。牝馬路線にも桜花賞とNHKマイルCの変則二冠を達成したラインクラフトや秋華賞馬エアメサイア等がいますがこれまでウマ娘化された馬はおらず、シーザリオが05世代で初めてウマ娘化されることになりました。

G1馬以外だと12歳まで現役を続けてゴールドシップ(7歳下)とも対戦したことのある超個性派ステイヤートウカイトリックもこの05世代の1頭になります。

スペシャルウィークの代表産駒

スペシャルウィークの代表産駒は?と聞かれれば多くの人がシーザリオブエナビスタの名前を挙げるのではないかと思います。

シーザリオはそのスペシャルウィークの2世代目の産駒にあたり、初年度産駒が期待ほど走らず下がり始めていた種牡馬スペシャルウィークの評価を覆したのがこのシーザリオの活躍。

シーザリオが日米オークスを制した翌年にビワハイジとの間に誕生したブエナビスタはシーザリオが勝てなかった桜花賞を制する等牝馬二冠を達成し、その後は牡馬相手に父も勝利した天皇賞秋やジャパンCを制しました。

3連勝で牝馬クラシック戦線の有力候補に

2004年暮れの12月25日の阪神芝1600mの新馬戦でデビュー。4番手追走から直線伸びると2着に1バ身2分の1差をつけて初勝利。2戦目の寒竹賞は後に重賞を複数制するアドマイヤフジやダンスインザモアといった牡馬の強豪相手に4番人気で出走し、レースも3番手追走から直線抜け出して最後追い込んできた単勝1.7倍の1番人気アドマイヤフジの追撃をクビ差抑えて勝利。

牡馬相手に新馬と500万特別を連勝したことで牝馬クラシック戦線の有力候補と目されるようになります。

デビュー戦と2戦目の間隔(中1週)が狭かったことから少し休養を取り3戦目は桜花賞の最終便となるフラワーカップに出走。ここ2戦の内容と牝馬クラシック路線の有力どころは主にフィリーズレビューのほうに出ていたことから単勝1.4倍の圧倒的1番人気に支持されます。レースは前走と同じく好位の2・3番手を追走すると直線抜け出し逃げた2着スルーレートに2バ身半差をつけて快勝しました。

シーザリオとラインクラフトの選択

シーザリオの鞍上は3戦とも福永祐一騎手(現調教師)が騎乗していました。そしてこの年の福永騎手にはもう1頭ラインクラフトというお手馬がいました。

ラインクラフトは阪神JFこそ3着に敗れたものの、ファンタジーSとフィリーズレビューを勝利するなどこれも牝馬クラシック戦線の有力候補と見られていました。

福永騎手は先約を優先してラインクラフトへの騎乗を選択。福永騎手は2年前(2003年)の牡馬クラシック路線でもネオユニヴァースとエイシンチャンプの選択する形になりこの時も先約を優先してエイシンチャンプへ騎乗しています。この後のネオユニヴァースとエイシンチャンプの成績を考えると・・・

エルコンドルパサーとグラスワンダーをはじめとして騎手の究極の二択は競馬ファン視点だと盛り上がったりもしますが、実際は(騎手が感じた)馬の能力が必ずしも最優先されるわけではなく単純に先に決まっていたという先約で決まるケースが多かったようです(今はエージェントが絡むのでまた少し話が変わっているようですが)。この手の究極の選択は時に人間関係を破綻させるケースもあったりします(有名なのはシンボリルドルフとビゼンニシキ)

ラインクラフトとの対決

福永騎手がラインクラフトに騎乗する為、桜花賞本番は地方所属の吉田稔騎手が騎乗することに。中央所属の他騎手ではなく、地方所属の吉田騎手になったのは後にコンビを復活させられるようにするという陣営の考えがあったようです(継続騎乗が難しい地方所属の騎手はピンチヒッターとして理想)。

1番人気はここまで3戦3勝のシーザリオで3.9倍。2番人気はラインクラフトで4.6倍。3番人気は後に秋華賞を制するエアメサイアで6.5倍で支持されていました。

レースは4番手の好位置を取ったラインクラフトに対して、シーザリオは1コーナーで他馬に入られたことで後方からレースを進める形になります。最終コーナーでもまだ後方のシーザリオは最後メンバー中最速の上がり34秒4の脚を繰り出し追い込むも先に抜け出したラインクラフトにアタマ差届かず初黒星を喫しました。

直線一気でオークス制覇

桜花賞を制したラインクラフトは距離適性を考慮してオークスには向かわず、NHKマイルCを目指す異例のローテが取られます(NHKマイルCも制して変則二冠を達成)。そしてラインクラフトがオークスに出走しないことからオークスでは福永騎手とのコンビが復活。

桜花賞馬が休養や故障以外の理由で不在という前例のない状況の中、その桜花賞で見せた末脚や距離延長も問題なさそうな血統的背景からシーザリオは単勝1.5倍の圧倒的1番人気に支持されます。離れた2番人気に桜花賞4着のエアメサイアが支持され、3番人気には2000mのフローラSを制した桜花賞未出走組で同厩舎のディアデラノビアが9.0倍の支持を集めていました。

ゲートが開くとシーザリオは出足が付かず外からも被せられたことで1コーナー通過時点で15番手という桜花賞の時よりさらに後ろの位置取りとなります。オークスはこの時期の3歳牝馬に2400mの距離は過酷なこともあってスローペースで流れることも珍しくありませんが、この年も例外ではなくハナを切ったエイシンテンダーの1000m通過は63秒1というかなりのスローペース。シーザリオはそのまま後方を追走して4コーナーを回った時点でもまだ12番手でしかも直線に入った時点で前が狭くなるようなシーンもあるなどかなり厳しい位置取り。

直線はスローペースを生かして必死に逃げ粘るエイシンテンダーをエアメサイアが追いやっとそれを交わしたところで外からシーザリオが強襲。出走馬中最速の上がり33秒3の脚を繰り出し、最後はエアメサイアをクビ差捉えて見事オークスを制しました。鞍上の福永騎手にとっては前年のダイワエルシエーロに続くオークス連覇でもありました。

日本調教馬初のアメリカG1制覇

オークスを制した馬は秋の秋華賞を目指して休養に入るのが一般的ですが、この頃は7月にアメリカで行われるアメリカンオークス挑戦が3歳牝馬の選択肢の一つとして考えられることがありました。実際この前年には桜花賞馬ダンスインザムードは同レースに挑戦して2着に入っています。

シーザリオを管理する角居調教師(現在は引退)は「世界に通用する厩舎にする」という指針を掲げており、シーザリオをアメリカに遠征させることを決断(初の海外遠征)。

アメリカ遠征の経験のある他厩舎の情報を収集して万全の態勢を整えて出国。当初は一緒に挑戦する予定だった同厩舎のディアデラノビアが骨折したため単独で挑戦することになりますが、陣営の入念なケアもあって万全の状態でゲートインすることができました。

大外13番枠からスタートしたシーザリオは後方からのレースとなったここ2戦とは違って好スタートを決めて好位の3番手を確保。3コーナー過ぎで先頭に立って追われると後続との差がどんどん広がっていき直線でも独走態勢のまま4バ身差をつけて圧勝。勝ち時計の1分59秒03はレースレコードでした。

シーザリオのアメリカンオークス優勝はハクチカラ以来46年ぶりの勝利であり、日本調教馬として初めてとなるアメリカG1制覇でした(父内国産馬としても初の海外G1制覇)。

繋靭帯炎で引退

アメリカンオークスを制したシーザリオは秋に行われるブリーダーズカップ・フィリー&メアターフ(牝馬限定)を視野に入れますが、帰国後の放牧中に右前外側繋靭帯炎を発症していることが判明。長期休養を余儀なくされます。

翌年徐々に回復してきたことからこの年に新設されたヴィクトリアマイルを目標に調整が進められるも繋靭帯炎が再発。炎症が慢性化していて全治1年以上が想定されることから競走馬としての復帰を断念。残念ながらアメリカンオークス制覇後一度も走ることなくターフを去ることになりました。

冒頭で書いたように繁殖牝馬としても大成功を収め、エピファネイア(父シンボリクリスエス)・リオンディーズ(父キングカメハメハ)・サートゥルナーリア(父ロードカナロア)と3頭のG1馬を輩出。

エピファネイアも種牡馬として成功し、2021年の年度代表馬エフフォーリアやウマ娘化も発表されている2020年の牝馬三冠馬デアリングタクトなどを輩出しています(産駒のG1勝ちが2~3歳時に集中しているので早枯れと言われたりもしていますが;;)。

ウマ娘シーザリオの適性予想

バ場
距離 短距離 マイル 中距離 長距離
脚質 逃げ 先行 差し 追込

元が牝馬のキャラは一度も短距離を走っていなくてもGにはならないようなので予想(でも全くおかしくはないですけど)。長距離も一度も走ったことはありませんが、産駒のエピファネイアが菊花賞を勝っているので少し下駄をはかせて予想

桜花賞の負け方的にマイルはが個人的に一番しっくり来ます。

脚質は逃げ以外なんでもできる感じですが、一番強かったアメリカンオークスは先行だったので先行だけで差し追込はと予想(因子周回視点だと脚質は少ない方がありがたいw)。